朝日新書 ぼくらの戦争なんだぜ

教科書を読む。「戦争小説」を読む。戦争詩を読む。すると、考えたこともなかった景色が見えてくる。人びとを戦争に駆り立てることばの正体が見えてくる。古いニッポンの教科書、世界の教科書を読み、戦争文学の極北『野火』、林芙美子の従軍記を読む。太宰治が作品の中に埋めこんだ、秘密のサインを読む。戦意高揚の国策詩集と、市井の兵士の手づくりの詩集、その超えられない断絶に橋をかける。「彼らの戦争」ではなく「ぼくらの戦争」にふれるために。

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