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被爆二世健診…43年目の真実～データが語る遺伝的影響と「ほしょう」を考える～
①厚生省による1979年度原爆被爆者二世の健康に関する調査研究実施の経緯と報告の内容のポイントについて
②京都「被爆二世・三世の会」が取り組んできた「被爆二世・三世健康アンケート調査」の公開
共催：神奈川県原爆被災者の会二世・三世支部、京都「被爆二世・三世の会」

「被爆二世健診…43年目の真実～データが語る遺伝的影響と「ほしょう」を考える～」
共催：神奈川県原爆被災者の会二世・三世支部、京都「被爆二世・三世の会」
アーカイブ配信：https://www.youtube.com/watch?v=ZuagI8OrNjk

プログラム

・司会：山本緑・神奈川県原爆被災者の会二世・三世支部役員
・挨拶：平信行・京都「被爆二世・三世の会」の代表世話人
・講演：「厚生省による1979年度原爆被爆者二世の健康に関する調査研究実施の経緯と報告の内容のポイントについて」
講師：森川聖詩（せいし）・神奈川県原爆被災者の会二世支部副支部長
・報告：「京都「被爆二世・三世の会」が2019年から取り組んできた「被爆二世・三世健康アンケート調査」の中間的とりまとめ報告」
報告者：守田敏也・京都「被爆二世・三世の会」世話人、フリーライター
・質疑応答（定刻編、放課後編）

※『京都「被爆二世・三世の会」が2019年から取り組んできた「被爆二世・三世健康アンケート調査」の中間的とりまとめ報告』の部分起こし
報告者：守田敏也・京都「被爆二世・三世の会」世話人

１：３３～

アンケートの調査の進め方として　森川聖詩（せいし)・神奈川県原爆被災者の会二世支部副支部長が　『核なき未来へ　被爆二世からのメッセージ』　という本で　被爆二世として初めて　赤裸々に　ご自分の体に　起こったことを　書いてくださって　その細やかな　ひとつの　事例に対して　自分は　同じ様なことが　おこっていませんでしたかと　いうことを　お聞きする形で　進んでいくので　きょうは　その最初の部分を　皆さんに一緒に　体験していただきたいと　思っています

今回の調査参加者は　

被爆二世　101人　女性58人　男性43人

被爆三世　　7人　 女性 3人 　男性 4人

広島関係　69人

長崎関係　26人

不明　6人

多くの方が　今回このアンケートに答えることを通じて　初めて　いろんなことが起こっていると知ったと　あるいは　端的に　被爆二世であることを　初めて自覚したと　だから　二回　三回と　調査を　とっていけば　また　答えは　変わってくると　思います　なので　数値を　割合とか　％とか　そういう意味ではとらずに　概略を　つかんでいただければ　嬉しく思います

１）生まれたときに死線をさまよったという方が　数名おられました(中略）　

２）じつは　アンケートを通じて　いちばん多かったのは　胃腸のしんどさでした　(中略）　多くの方が　それをずっと　子どものころだけではなくて　現在に至るも　その傾向が　続いている方が　多いです(中略）

３）この　疲れは　26名の方が　書いてらっしゃいました　風邪をこじらす　というところで　チェックされている方が　14人　喘息とか　咳が激しかったという方が　17人　おられました(中略）

４）目測を　誤ることがある　これが　6人　おられました　もうし遅れましたが　ここの　数値に　被爆三世の方の分は　入れていないんですけれども　この　目測を誤るは　被ばく三世の方も　多かったということが　聞き取りの中で　話されたことがあります　

５）怪我が治りにくい　膿みやすいに　20人の方が　チェックしています　バネ指は　3人の方が　チェックしています　目の不調というふうに　括りました　それが　19人　顔面痛が　7人　ということで　ある方は　とにかく　目が　チカチカする　自分の目　自身が　チカチカして　点滅するものが　非常に　怖いと　小さいときに　蛍光灯が　チラチラするのを　見ているのが　とても　怖かった　という方が　おられます　多くの方が　物凄い　顔面痛がしたり　あと　光が　飛びこんできて　それが　頭の中で　グルグル回っている感じであるだとか　強い光に　凄い弱いというか　それが　痛みとして　感じると　書かれている方が　おられます(中略）

６）これ　さっき　40人の方がいると　言いましたけれども　JRに乗るときは　必ず　トイレのある車輛に乗る　或いは　出張とか　旅行そのものが　ひじょうに　不安である　満員電車が　ひじょうに　不安である　いつ　尿意が　くるか分からない　或いは　トイレそのものを　持ち歩きたい感じと　そんなふうなことを　書いてくださっている方たちが　いました　(中略）

７）これ以外に　手が　ベタベタになった　という方が　数名(中略）

８）この項目の中では　ご本人じゃなくて　親が　流産　死産している　つまり　自分に　生まれなかった　兄弟姉妹が　いた　という方が　23人　あとは　子どもが　生まれてから　数日であったり　数か月であったり　で　亡くなってしまったと　書かれている方も　おられました　パートナーが　死産　これが　18人　おられました　さらに　お子さん　三世の方の流産　死産が　2人　おられます(中略）

９）喉の異常　酸味なんですけども　凄く　膿みが溜まるとか　そういうふうな　表現も　ありました(中略）

１０）副鼻腔炎は　17名　結構　これも　多くの方が　経験されています(中略）これも　顔面痛と　頭痛を　入れているんですけども　それぞれ　7人　14人　それから　疲れたときに　歯が　痛く　感じるということで　歯の　エナメル質の　形成が　非常に　不全だと　言われたという方が　おられました　喘息が14人　咳3人です　(中略）

１１）足の冷えだとか　体の冷えのことを　訴える方も　非常に多くて　これが　23人です

１２）これらに対して　そういう症状は　起こっておりませんと　多少あれど　自分としては　健康と　思っておりますと　書いた方が　101人中　17人　おられました

１３）これ以外の　森川さんが　書かれていないことで　現れている　症状として　

女性の方で　生理が大変きつかったと言われる方が　13人　糖尿病が9人　ガン12人　甲状腺異常8人　心臓弁膜症4人　不整脈などの心臓トラブル10人

痛風3人　結石4人　鼠径ヘルニア3人　その他書ききれない病が多数

それから　乗り物に酔ってほとんど乗れないという方が8人

発汗過多、および汗がかけない9人

季節の変わり目が　とても弱いという方が　多かったです　雨が降るのが　頭痛で　分るという方が19人　同じ様に　日光とか　日射に弱いという方が6人

低血圧だと言われたのが5人　白血球が少ないと言われたのが7人　低体温が2人　

子どものころ　よく吐いた13人　鼻血をすごく出した11人

耳の異常　聴覚の異常8人　眩暈14人

低身長が5人

鉄不足3人　貧血3人　口内炎3人

この他の特徴として　4世に関する記述も　結構あった

というふうなことを　知ってください

※お気づきの方もおられるかもしれませんが、この続きが「前編」の※資料83になります。勝手に前後してすいませんでした。ご興味があれば、ぜひこちらもお読みくださいね。

※質疑応答の部分起こし

２：１５～

三田茂・三田医院院長（小平市三田医院で、首都圏の子どもたち1000人以上の甲状腺や血液検査を続けてきたが、首都圏での診察に限界を感じ、2014年4月に岡山へ移住し開院された）
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/c35c335cf8369612b965566c61a0b28a
(2018/02/28)『新ヒバクシャ』に『能力減退症』が始まっている(三田茂医師)

父の　三田医院の　跡継ぎなんです　東京にいました　2011年の　福島の被爆の後に　うちに　来てた　患者さんたちの　具合が　おかしいということを　かんじまして　いろいろしらべてきて　2014年から　岡山に　移転したという形で　再開して　三田医院を　いま　やっています　

医者で　こういうことをやっているひとって　もう　ほとんどいなくなっちゃって　二世の運動は　知りませんけれども　福島の　被ばくに　関して　ほぼひとりで　ずっと　やっているような　形です

それで　ずっと　白血球がおかしいとか　肝臓がおかしいとか　甲状腺は　あんまりおかしくないとか　言って来たんですけど　まあ　批難を　たくさん　うけてます　それでも　医者か　というようなことも　言われてますけれども　

やっぱり　学説っていうのは　いろいろあるだろうけれども　自分で　診てることが　学説に　合致しないな　という思いが　強くあったので　　今回の分析　っていうのかな　こういうのは　ほんとうに　力強く　感じましたね　

ちょっと　僕の方から　勉強したことというか　皆さんに対する提言　みたいなものを　考えたので　少しお時間いただいて　話したいと　思います

被爆二世　核の持つ　遺伝的な影響　ということですよね　今回の　テーマっていうのは　　
いままで　こういうことで　おこなわれた　議論っていうのは　だいたい　「二世の調査によると」と　よく言われてきた　だいたい　そういう　研究は　たくさんあるわけでしょ？

放射線による　遺伝子の異常が　起きて　これが　親から子に　遺伝子から　引き継がれていくんだっていう　こういう話　で　これが　あるかどうか　ってことですよねえ

こちら側というか　二世側　被害者側としては　当然　イエス　なわけですよね？　さっき　紹介して貰ったように　病気が　凄く多い

で　加害者側は　これは　国とか　ICRP（国際放射線防護委員）であり　IＡEA（国際原子力機）だけど　こっちは　ノー　って　わけですよね？そういう研究は　ないんだ　っていうふうに　言う

これを考えたときに　２点あるんですけど　まず　遺伝的影響というんだけども　これ　いったい　どういうものか　っていうことです　二世の健康被害っていうんだけど　これ　どういうものか　っていうことです

いままでのけんきゅうっていうのは　やっぱり　いでんしが　こわれているっていう　前提だから　出生率とか　出生の　男女比とか　あとは　先天奇形　それから　がんの発生とか　

特殊な　遺伝するっていわている　病気とか　こういうのについて　調査されてきた　

で　これについて　いろいろ　言われるわけだけど　これだけが　二世の健康被害なのかと

さっきの　守田さん（守田敏也・京都「被爆二世・三世の会」世話人）　の報告でも　とても　それだけとは　思えないんだけども　　これはねえ　ノー　なわけです　

今回の報告でも　分るように　糖尿病を　はじめとした　代謝性疾患が　増えてるんじゃないかとか　血圧　これは　高血圧の人も　かなり　増えているんですね　全体として　低血圧気味です　だから　高血圧の人が　増えて　低血圧の人も　増えているんじゃないかと　僕は　思ってるんだけども　こういう　血圧の異常　それから

いわゆる　成人病　さいきんは　生活習慣病ってな　名前が　つきますけど　成人病が　増えている　　肝臓病が　増えている　肝臓病はねえ　僕は　隠蔽されたと　思いますよ　今回　腎臓病も　増えている　アレルギーが　増えて　精神病疾患が　増えて　

それから　僕が　名前をつけて　言っている　能力減退症ね　これは　守田さんの　紹介でも　あったけど　非常に　疲れやすくて　眠気が　つよくって　気力がなくって　集中力がなくって　学校に行けなくなったり　仕事に　行けないっていうことが

これは　福島の　地震被ばく者　って　僕は　言ってますけど　福島で　被ばくしたあとに　でた人とか　たくさんいるんですけど　　広島　長崎でいう　ぶらぶら病なんでしょうか　そういう　機能異常的なものに　関しては　或いは　体質的に　凄く　弱い人については　ぜんぜん　論じられてないっていうのが　この　遺伝的影響なんじゃないかと　思いますね

数の上ではっきりする　あるいは　都合がいいから　遺伝的影響を　知らべるっていうと　発がん　ばっかりみる　傾向が　あるけれども　まあ　これじゃ　だめですね　やっぱり

もっと　生体レベル　であり　生き物としての　統治の機能が　どこまで　傷害されるか　ってことを　見ていかないと　被害の実態っていうのは　わからないと　思います

2番目に　言っておきたいのは　遺伝的影響っていうの　これ　学説は　あるんでしょうけれども　その　学説について　です　で　いままでの　遺伝的影響っていうのは　放射線によって　ＤＮＡが　損傷されて　それが　問題なんだ　っていう　これが　学説の　中心だと　思います　みなさんも　そう思っているでしょう？

これねえ　でも　客観的にみると　そうとう　古典的な　知識です　もう　ちょっと　古臭い知識ですよね　　特に　この10年くらい　２０００年以降　いま　この　放射線障害のことでも　DNA配列　によらない　遺伝的特性　っていう研究は　進んできたんですよね

これが　ゲノムの不安定性とか　　遺伝子の不安定性とか　あと　エピジェネティクス（　DＮＡ自体が　傷ついていなくても　病気にはなるし　それが　子孫にも　伝わるんだよっていう　こういう考え方）です　　二世の　健康被害の　中心っていうのは　DNA損傷　っていうのじゃなくて　この　DNA損傷でない　被ばくの　子の方が　多いと　考えている　論文も　現在　たくさん　ではじめています

発がんに関しても　ＤＮＡが　傷ついていなくても　発がんに結び付くんだ　という研究もある　で　有害化学物質っていうのがあるでしょう？　これは　放射線じゃないわけだけども　子どもに　ひきつがれることがある　と　こういう　有害化学物質の研究がある　　さっき　言った　エピジェネティクスについては　こういう　有害化学物質についての　研究は　中止になってきているんです　ここ10年ぐらい　

だから　DNAそのものが　壊れるんじゃなくったって　いくらでも　調子悪くなるよってね　まあ　そういうことです

話は　どんどん　どんどん　広がっていっちゃうかもしれないんだけども　公害っていうのは　いままで　　いろいろ　起きてるわけだけれども　公害っていうのは　国とか　大企業が　相手なので　力関係で　研究って　なかなか　進みにくい　と思うんですよ　だけれども　核に比べれば　比較にならないくらい　研究されてると思います

核は　ほんとに　研究されてないから　公害の　研究　っていうのが　とっても　参考に　なるんじゃないかと　思う

今後　放射能の　人たち　っていうのは　タンパク質の　研究者　っていうのは　僕たちの　何歩も　何歩も　先に進んでいってるわけですよ　　　或いは　もしかしたら　研究している人も　いるかもしれないけども　

そういう　化学物質について　研究している人たちと　つながって　研究していかないと　もう　時代遅れじゃないかって　僕はおもう

わたしたち　核の　被害者側ですけども　僕は　見てて　思うんだけど　これ　時代遅れの　概念の　中で　ぐるぐる　ぐるぐる　回ってる　みんなで　議論してる　っていうふうに　思う

僕はいつも　ちょっと　言い方が　キツクて　悪いんですけども　そう思います

向こう側ね　これ　加害者側　は　もしかしたら　好都合なこととして　とらえているかもしれない　　まだそんなこといってるの？　っていう　そういうことですね

今回　この　新聞に　こういうのが　載ったってことは　画期的で　小山美砂さんに　したって　すばらしいと　思う　

僕も　いろいろ　言って来たけども　全国版の　新聞に　載ったことはないし　TV局の取材も　たくさん　受けたけども　一回も　全国放送で　出たことは　ありませんから　こういうことを　出してくれたってことは　とっても　いいことだと　思う　

ただ　この　新聞の記事を　読んでて　凄く気になったのが　この　終わりの方に　「被爆二世の　健康問題は　今後　放射線影響研究所（放影研）が　ゲノム解析で調べる方針だ」と　　書いてある　

そうか　今は　放射線影響研究所（放影研）も　ゲノム解析やってるのかと　思う人が　多いかもしれない　でも　わたしはね　凄い　不安ですね　これは　

何で　不安かって言うと　もう　遺伝的影響も　ゲノムだけで　云々する時代じゃ　なくなっているんですね　ゲノム調査をしたら　問題なかったって　いわれちゃうかもしれない　

向こうの　土俵にのると　向こうのほうが　頭がいいですから　そういうところで　足　掬われるんじゃないか　っていうね　まあ　相手は　そういう相手　ですからねぇ

そこは　　きをつけて　やっていかないと　これから　やっていくのに　と思います　

学説っていうのは　もっともらしいものは　あるけれども　だいたい　ひっくり返るものですよね　１０ねん　20年して　そのまま　通用している学説は　そう　多くはないんじゃないかな？　

だから　さっき　守田さんが　言ってたような　聞き取り調査ね　いま　じっさいに　なにがおきているか？　っていうところから　学説で　納得いくのは　取り上げたらいいし　納得いかない学説は　研究が　低級なんだと　思った方がいいと思うんです　

というぐらいの　提言です

守田

はい　どうもありがとうございます

（「後編」につづきます）